フィギュアスケートのグランプリシリーズ第2戦カナダ大会・スケートカナダ2016の女子フリーで宮原知子選手のステップが認定されず0点になりました。

ステップシークエンスはレベルで基礎点が認定されるのですが最大4のレベル認定のなかで「無価値(ノーバリュー)」という評価をされました。

前回出場した国際大会ではレベル4(StSq4)という認定を受け基礎点3.90点に加え出来栄え点のGOEでも1.40点のプラス評価を受け5.30点を獲得。

今大会のプロトコルを見ると「StSq 基礎点0.00 GOE0.00」という無評価で0点。

この無価値と判断された理由はステップの規定にある「氷面を十分に活用していない」に該当すると判断されてしまったためと思われます。

フィギュアスケートはリンクのカバー率、スケートリンクを広く使うことも評価に含まれています。

ステップの規定には明確化という項目がありその中でも無価値について述べられています。

ステップ・シークェンスにはもはや要求されるパターンはないが、氷面を十分に活用していなければならない。
ステップ・シークェンスは、はっきりと認識できるものであり氷面のほぼ全体を活用して行われなければならず、短辺フェンスから短辺フェンスへの長さを 1 回(例えば、ストレート・ライン、サーペンタインまたは類似の形状)または長辺フェンスから長辺フェンスへの幅を 2 回(例えば、サーキュラー(円、楕円)または類似の形状)活用しなければならない。
上記が達成されない場合は無価値となる。
特徴の 2 と 3 でいう “パターン”とは、スケーターが実際に行ったパターンを意味する。

フィギュアスケートのリンクは長方形なのでジャッジが座る正面となる側とその対面のロングサイド=長辺とショートサイド=短辺があります。

距離の長い短辺から短辺、ジャッジ側から見て横の移動が1度、距離の短い短辺ならジャッジ側から見て縦の移動が2度(往復)が最低限の条件となっておりそれを満たしていないと評価されたようです。

宮原知子選手のステップのスタート地点はジャッジ席付近の短辺なので一度反対側の客席まで行ってまたジャッジ側のフェンス付近まで戻ってこなければなりません。

映像を見直すとジャッジ席付近でスピンをした後に反対側のフェンスまでは近付いているので1回はOK。

そこから斜めにショートサイドに移動してリンク中央に戻ってくる軌道なのですが横からの画像でフェンスの位置が確認できません。

ただisu.orgの看板が映っていることから考えるとキスクラの前、短辺の中央でステップが終わっているように見えるため「長辺フェンスから長辺フェンスへの幅を2回活用」が達成されなかったと判断されたと思われます

公式ではないのでリンクは貼りませんがYouTubeでも動画が上がっていますし10/30の夜の地上波放送とBS朝日でのテレビ放送予定もあるので映像を見たら確認してみてください。

これまでは国際大会のUSインターナショナルクラシック2016でもジャパンオープン2016でも認定されているので今大会のジャッジは厳しすぎると思いますがオリンピックのプレシーズンだからこその方針なのかもしれませんね。

ステップのレベル認定はスケートアメリカでも厳しいジャッジが行われていますが今大会はさらに厳しくなった印象。※個人の感想です

認定された大会もあるのでファンとしても納得できないところも多いですしコーチや選手も驚いたとコメントしていますが世界フィギュアでノーカン食らうよりは先に対策できてよかった!ということでNHK杯ではジャンプも含めて改善したプログラムを披露してほしいですね。

0点になる要素があっても表彰台獲得は素晴らしいです。

グランプリシリーズ・カナダ大会2016 スケートカナダの女子フリーの結果

NHK杯ではステップを改善してレベル4を獲得し+1.4点というGOEで高い加点が付きました。